高千穂の夜神楽
毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、
町内約二十の集落で夜通し奉納される「高千穂の夜神楽」
夜神楽とは、里ごとに氏神(うじがみ)様を神楽宿と呼ばれる民家や公民館にお招きし、夜を徹して三十三番の神楽を一晩かけて奉納する、昔から受け継がれてきた神事です。
例祭日(れいさいび)は集落によって異なり、毎年11月中旬から翌年2月上旬にかけて、町内約二十の集落で奉納されます。
高千穂の夜神楽の歴史 HISTORY
平安末期から鎌倉時代にかけて成立したといわれている「高千穂の夜神楽」は、
江戸時代の末頃まで高千穂神社の神職を中心に伝承し奉納されていたと考えられています。
その後、三十三番に整えられ、集落ごとに伝承されるようになり、代々誇りをもって受け継がれてきました。
高千穂の夜神楽三十三番
岩戸五番
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一
彦舞(ひこまい)
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二
太殿(たいどの)
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三
神降(かみおろし)
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四
鎮守(ちんじゅ)
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五
杉登(すぎのぼり)
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六
地固(ぢかため)
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七
幣神添(ひかんぜ)
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八
武智(ぶち)
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九
太刀神添(たちかんぜ)
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十
弓正護(ゆみしょうご)
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十一
沖逢(おきへ)
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十二
岩潜(いわくぐり)
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十三
地割(ぢわり)
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十四
山森(やまもり)
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十五
袖花(そでばな)
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十六
本花(ほんばな)
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十七
五穀(ごこく)
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十八
七貴神(しちきじん)
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十九
八つ鉢(やつばち)
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二十
御神体(ごしんたい)
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二一
住吉(すみよし)
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二二
伊勢神楽(いせかぐら)
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二三
柴引(しばひき)
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二四
手力雄(たぢからお)
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二五
鈿女(うずめ)
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二六
戸取(ととり)
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二七
舞開(まいひらき)
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二八
日の前(ひのまえ)
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二九
大神(だいじん)
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三十
御柴(おんしば)
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三一
注連口(しめぐち)
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三二
繰下し(くりおろし)
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三三
雲下し(くもおろし)
※神楽の順番は集落により違います。
見どころポイント Highlight
01
「高千穂の夜神楽」は、
国の重要無形民俗文化財に
指定されています。
各集落の夜神楽は天照大神(あまてらすおおみかみ)をはじめ、日本の神話や伝説の中に登場する神々が総出演します。
夜を徹して三十三番の神楽を奉納する「高千穂の夜神楽」は、昭和53(1978)年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。
高千穂の里人が祀る神様の中心は、荒神様と呼ばれる山の神と、五穀豊穣をもたらす水源の神。
それは山から降臨し、里人と共に舞い遊び、別れを惜しんで帰られる神であり、里人を守護する神でもあります。
02
各里ごとで変わる
夜神楽の舞
各集落では舞う順番などが前後したり、題目が変わったり、それぞれの集落で舞いものが異なります。同じ夜神楽でも違った趣があり、いくつかの夜神楽を見るのもまた違った面白さがあります。
03
最も重要な
「よど七番(よどななばん)」
一番から七番までをよど七番(よどななばん)と呼び、普通にはこの七番で願成就となります。
このよど七番では神々が天孫降臨(てんそんこうりん)の場を固めて国造りをしたことを表しており、中でも、一般には神降(かみおろし)・鎮守(ちんじゅ)・杉登(すぎのぼり)の三つを指す「式三番」は一番重要で、必ず舞います。
また、よど七番が終わった後も、安産祈願の舞や、厄難を払う舞、豊作を祈る舞など様々な舞が続きます。
04
日本神話を題材にした
終盤の山場「岩戸五番(いわとごばん)」
夜明け頃に行われる岩戸五番(里によっては六~七番あることもあります)は、夜神楽の中でも大変人気のある舞です。
天照大神(あまてらすおおみかみ)が天岩戸(あまのいわと)に隠れられてしまった折に、岩戸の前で天鈿女命(あめのうずめのみこと)が調子面白く舞ったことにより、神々が大笑いし、不審に思った天照大神が姿を表したという日本神話が題材にされております。
高千穂の夜神楽日程について
神楽は各集落ごとに民家や公民館でとり行われます。
ここを神楽宿(かぐらやど)と呼び、毎年変わっていきます。
※場所日程等のお問い合わせは2週間ほど前にいただけると確実です。
夜神楽に関するお問い合わせ先 INFORMATION
高千穂町観光協会 | ※毎晩奉納の高千穂神楽について TEL. 0982-73-1213(休日・祝祭日も可) 観光協会へメールでお問い合わせ |
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高千穂町企画観光課 | ※夜神楽日程表について TEL. 0982-73-1212 |
高千穂町観光協会(宿泊関係) | TEL. 0982-73-1800 |
夜神楽鑑賞の心得
- ・夜神楽の日程・場所は事前に日程を確認しましょう。
※毎年10月頃に日程が決まり、高千穂町観光協会のホームページに掲載されます。 - ・寒さ対策の防寒具や飲み物・軽食を持参すると安心です。
- ・夜神楽見物は自由ですが、神事参列の礼儀として「御神前」を受付に納めましょう。